企業によるSNSの利用について
第2回
SNSの利用率が高まる昨今、ビジネスにおける利用方法について、2回にわたってお伝えしています。
前回は、そもそもSNSとは何か、企業においてなぜSNSを利用していかなければいけないのか、という点から振り返り、目的別の効果的なSNSの選び方についてお伝えしました。
今回は、実際のコンテンツ作成におけるポイントについて、まとめてみたいと思います。
目次
1.コンテンツを作る前に行うこと
投稿の目的とターゲットを明確にする
コンテンツを作成する前に、まず明らかにしたいのは、「誰に向けて何を伝えるか」ということです。
例えば、同じ掃除機をPRしたいとしても、「50代男性向けに吸引力の高さを伝えたい」場合と、「30代女性向けに部屋に馴染むカラーバリエーションを伝えたい」場合には、全く異なるテキストや写真が必要になります。
写真を掲載するにしても、どういった場所でどのような構図で撮るか、どのような雰囲気を演出するのか、といったことも異なります。
そのため、「誰」と「何」は必ず明確にした上で、コンテンツを検討します。
コンテンツ選びの注意点を把握する
「SNSはユーザーとのコミュニケーションの場」であることから、企業本位のコンテンツは共感が得られにくくなります。ユーザーの視点に立ち、実際に目の前にいるその人が見たいコンテンツかどうかをよく考えることが重要です。
その為、宣伝ばかりのコンテンツや、一つの価値観を押し付けるコンテンツは避けるべきです。
また、「環境問題など社会課題の解決に反するようなコンテンツがないか」など、企業に求められる姿勢に則しているかどうかという視点も必要です。異業種も含め、他の企業の成功例や失敗例から学ぶことが有効になります。
この点については、あらかじめ運用方針を設けて、炎上リスクを避けることも求められます。
2.コンテンツ作成におけるポイント
投稿は、主にテキスト、写真、動画のいずれかを組み合わせた形になります。
それぞれのコンテンツにおけるポイントを、「良くない例」と「改善例」を示しながら、お伝えします。
テキスト
SNSは、仕事、家事、勉強の合間の比較的リラックスした時間に利用されることが多いため、文章をじっくりと読むユーザーは少ないと言われています。
テキストは読み飛ばされる可能性が高いと想定し、以下のような工夫が必要となります。
- なるべく一文を短く、簡潔にまとめる。
- 文章の主題(何についての文章なのか)や重要なことは先に書く
- 専門用語、業界用語、難しい言葉は避ける、あるいは説明を付ける
- 漢字と仮名の分量を調整する
また、ユーザーに語り掛けるような文章、季節やイベントの話を交え、読み手に寄り添う文章を心掛けると、ユーザーとの距離を縮めるものになりやすいです。
<良くない例>
今日から4月が始まりますが、4月は入学、進学、入社、転勤など著しい環境の変化により、様々な心理的苦痛を伴うことが多いかと思います。そのような季節ですが、皆様如何お過ごしでしょうか。
<改善例>
今日から4月が始まりますね。入学、入社など、新しい環境で気が張ることの多い季節ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
写真
テキストがメインとなるSNSにおいても、写真を付けた方がシェアをされる確率が高いという結果があります。 それだけ写真のインパクトは大きいのですが、ユーザーは日々多くの写真を目にしており、その中で印象に残ることが必要となります。
プロが撮影した写真のようにはいかなくても、以下のようなことを意識すると、より印象に残りやすくなると言われています。
写真の主役を明確にする
<良くない例>主役と脇役がはっきりしません
<改善例>写り込むものを絞り込み、主役を手前に配置します。
主役の向きを意識し、その先に空間を設ける。
<良くない例>主役が向いている方向にスペースがあまりありません
<改善例>主役が向いている方向に十分な空間を設けます
写真が映える構図(三分割構図、対角線構図など)を活用する
写真には、さまざまな構図がありますが、下記のような構図を活用すると、撮影の初心者であっても、印象的な写真が比較的作りやすくなります。
①三分割構図
写真を縦横ともに3分割し、その交点に物や人物を配置する。
②対角線構図
物を写真の対角線上に並ぶようにして配置したり、道路や柵を対角線上に配置したりして、斜めの線を作ります。
このとき、厳密に対角線上でなくても、斜めの線があれば構いません。
写真の撮り方については、上記の他にも、以下のようなポイントがいくつかあります。
- 被写体に合わせた光・アングル
- 印象的な色の使い方
- 写真加工アプリの活用
など
複数枚撮影して比べてみたり、他の人に評価してもらったりするのも良いと思います。
動画
短時間で伝えられる情報量が多く、文章や写真だけではイメージしにくいこともわかりやすく伝えられる動画は、近年広く活用されています。
撮影した動画をそのまま投稿するのではなく、いくつかのポイントを押さえて編集することが必要となります。
- サムネイルで何の動画かわかるようにする
SNSや動画サイトに投稿される動画において、サムネイルはどのような動画なのかを指し示す画像で、本で言えば表紙にあたります。
ユーザーはどの動画を再生するかをサムネイルから判断するため、重要な場面のキャプチャ(画像として保存)やタイトルを入れるなどしたサムネイルの作成をおすすめします。
- ミュートで見ても伝わるようにする
移動中などのシチュエーションで音を出さずに見られることがあるため、動画にテキストを入れるとわかりやすくなります。
日本語の場合、人が目で追うことができるのは1秒に4文字と言われていますので、読むスピードに配慮した文字数とすることが重要です。
- 長々と説明しない
動画を閲覧するメリットは、短い時間で情報を得ることができることです。そのため、情報を端的に伝えるようにしましょう。
コンテンツ作成に関しては、上記の他、ハッシュタグの付け方にも注意したいところです。
3. まとめ
これまで述べてきた事柄について、まとめると以下の通りになります。
まとめ
- コンテンツを作成するには、まず投稿の目的とターゲットを明確にする。
- コンテンツ選びでは、ユーザーの視点に立ち、ユーザーが見たいコンテンツかどうかをよく考える。
- テキストは、簡潔に、重要なことは先に書くなどの工夫をする。ユーザーに寄り添った文章にする。
- 写真では、主役が何かを明確にし、構図に注意を払って撮影する。
- 動画では、何の動画か一目でわかるサムネイル、ミュートでも伝わるようなテキストを入れ、端的に情報を伝える。
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