企業によるSNSの利用について
第1回

SNSとは

Facebook、Instagram、Twitterなど、SNS利用率が高まる昨今、集客、販促、ブランディングなど、SNSをビジネスにおいて利用していきたいと考える中小企業も増えています。
しかし、普段からユーザーとしてコンテンツを閲覧しているものの、いざ自社のSNSを運用していくとなると、どのSNSを選び、どのようなコンテンツを投稿したら良いのか…よくわからないという方も
多いのではないでしょうか。
そこで、そもそもSNSとは何か、企業においてなぜSNSを利用していかなければいけないのか、という点から振り返り、目的別の効果的なSNSの選び方について、まとめてみたいと思います。

目次

  1. SNSとは
  2. SNSを活用する理由
  3. 自社製品・サービスに適したSNSの選び方
  4. まとめ

1.SNSとは

SNSとは、‟ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略で、登録された利用者同士が交流できるWebサイトの会員制サービス”のことを意味します。
‟友人同士や、同じ趣味を持つ人同士が集まったり、近隣地域の住民が集まったりと、ある程度閉ざ
された世界にすることで、密接な利用者間のコミュニケーションを可能”にするものです。

FacebookなどのSNSが上記の定義に当てはまりますが、昨今では、TwitterやInstagramなど、基本的に誰もが閲覧でき、社会的なネットワークが構築できるサービスのこともSNSと呼ばれ、その定義は
広く捉えられています。

出典: 総務省『国民のための情報セキュリティサイト』(https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/security/basic/service/07.html

2.SNSを活用する理由

SNSの利用率

総務省情報通信政策研究所の「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、以下のことがわかります。

  • LINEの利用率は、全体として増加傾向で、令和2年に90%を超えている。
  • 「Twitter」及び「Instagram」が 42.3%、「Facebook」が 31.9%で「LINE」に続いている。

主なソーシャルメディア系サービス/アプリ等の利用率(全年代)

出典:総務省情報通信政策研究所『令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』(https://www.soumu.go.jp/main_content/000765258.pdf

双方向のコミュニケーションが可能

TV・新聞などのマスメディアでの広告・宣伝は、企業からエンドユーザー向けの一方的なものが主と
なりますが、SNSではエンドユーザー、企業双方向のコミュニケーションが可能となります。
企業では、SNSを通して、情報発信・広告・キャンペーンなどを行うことが可能になり、エンドユーザーは、企業の投稿に対し、いいね!などのリアクションをしたり、感想や要望を伝えたり、問い合わせをしたりすることが出来ます。
SNSは「ユーザーとのコミュニケーションの場」であると言えます。

拡散性

SNSにおいて、ユーザーが共感した投稿をさらに広めたいと考え、シェア、リツイートなどの機能を
活用し、別のユーザーと共有するといった行動が頻繁に見られます。そのことによって、ある情報が
瞬く間に拡散され、多くの人々の知るところになるといった現象が起こります。
SNSの中でも、Twitterのリツイート(RT)機能は、特に拡散力が高く、ニュースで取り上げられることもしばしばあります。
マスメディアと同様、あるいはそれ以上の人に一瞬で認知される拡散性は、企業においても活用できるSNSの大きな特徴です。

低コスト

SNSは、無料または低予算でアカウントを取得でき、広告についても、数百円からスタートできる為、マスメディアと比較して、より低予算から始めることができます。
安価な広告出稿から、フォロワー数によってより高額となるインフルエンサーマーケティングなど、
予算に合わせて段階的にマーケティング施策の選択肢を広げていくこともできます。

3. 自社製品・サービスに適したSNSの選び方

SNSの選択

SNSは、時代の変化を反映しながら新たなものが次々に生まれています。既存のSNSについても、機能の追加や変更が頻繁に行われています。
そのような中で、どのSNSを活用すればいいのか、複数のSNS運用で使い分けはどうしたらいいのか、などの疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

SNSの年代別利用率

年代別で見ると、それぞれのSNSで利用年齢層が異なることがわかります。

  • 「LINE」は、すべての年代で利用率が高くなっている。
  • 「Twitter」は、10 代及び 20 代の利用率が高く、それぞれ 67.6%、79.8%が利用している。
  • 「Facebook」は、前回令和元年度調査結果と比較すると、40 代及び60 代を除く各年代で減少している。10 代 の利用率は 10 ポイント近く減少し、20%を下回る利用率となっており、各年代の中で最も低くなっている。
  • 「Instagram」は、10 代の利用率が 69.0%で最も高く、10 代、30 代及び 50 代で、「LINE」に次いで高い利用率となっている。

出典:総務省情報通信政策研究所『令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書』(https://www.soumu.go.jp/main_content/000765258.pdf

まずは、自社製品・サービスのターゲットとなる年齢層に合ったSNSを選択することが重要となり
ます。

主要SNSの特徴

それぞれの機能面での違いなど、特徴も踏まえる必要もあります。

LINE

「クローズ型」に分類されるように、家族や友人、職場の同僚などが閉じられた環境で、主にチャット機能を用いてコミュニケーションが取られています。
その為、企業は、自社アカウントをユーザーが「友だち」に追加するような施策を取った上で、クーポンや抽選などの販促活動を行ったり、ユーザーサポートに活用したりします。

Twitter

投稿できるテキストに140字という制限がある為、短い文章でいかに情報を効果的に伝えられるかが
ポイントとなります。匿名制であることで、前述した通り、リツイート機能によって投稿が拡散される可能性があります。一方で、その拡散力の高さから、批判的な書き込みが集中する「炎上」のリスクもあるということは注意すべき点です。
ブランディング、広報、販促など様々な目的で活用できますが、自社製品で困っているユーザーを見つけて積極的にコミュニケーションを取る「アクティブサポート」で用いられるところが特徴的です。

Facebook

長文のテキストが投稿でき、写真や動画と合わせて、コンテンツ作成における柔軟性が特徴です。実名制により、実社会の人間関係と同様のコミュニティで繋がっているユーザーが多いため、ユーザーから攻撃的な投稿をされる可能性は相対的に低くなります。ユーザーが「いいね!」を付けると、そのことが友達に知らされるため、投稿が拡散される可能性があります。
また、ある程度信頼関係があるユーザー同士での繋がりの為、他のユーザーが「いいね!」を付けたものが好意的に受け止められる可能性も高くなります。
ブランディング、広報、販促など幅広い用途で活用されています。

Instagram

上記のSNSと異なり、メインのコンテンツが写真であるのが特徴です。そのため、いかにユーザーの視覚へ訴えるかがポイントとなります。
投稿をシェアする機能がないため、拡散性はそれほど高くありません。但し、ユーザーが自身の関心事などを検索する際に使う「ハッシュタグ」を活用することで、ユーザーの目に触れる機会を増やすことは可能となります。
視覚的なイメージが重要となる為、あまり長いテキストは読まれない傾向があります。したがって、
ブランディングや短い情報告知などに活用されます。

自社のSNS運用の目的(ブランディング、販促、ユーザーサポートなど)を明確にし、その目的に
合ったSNSを選択することが、効果的なSNS活用の第一歩となります。

4.まとめ

これまで述べてきた事柄について、まとめると以下の通りになります。

まとめ

  • SNSとは、‟ソーシャルネットワーキングサービス(Social Networking Service)の略で、登録された利用者同士が交流できるWebサイトの会員制サービス”のことを意味する。
  • SNSを活用する理由は、利用率の高さ、双方向のコミュニケーションが可能な点、拡散性、低コストであること。
  • 自社製品・サービスに適したSNSを選択するためには、各SNSの利用年齢層と特徴を知る必要があり、自社製品・サービスのターゲット、SNS活用目的に合った運用を行うことが必要である。

第2回では、コンテンツ作成前に行うこと、作成におけるポイントについて、お伝えします。

弊社では、SNSのビジネス利用におけるポイントなどについて、講習会も行っております。
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