情報漏洩を防ぐには① ―組織対策編―

近年、書類のペーパーレス化・オンラインでの打ち合わせなど、元来アナログでしていた業務のデジタル化が進んでいます。
紙などのアナログで情報を扱う際に「倉庫金庫の管理・シュレッダー使用・社外への持ち出しルール発足」などを実施していたように、デジタルにはデジタルに合った適切な情報漏洩対策が必要です。
そこで今回は、デジタルでの情報漏洩を防ぐために組織が行うべき対策について、まとめます。

目次 

  1. 情報漏洩によるリスク
  1. 組織ができる対策
  1. まとめ

1. 情報漏洩によるリスク

企業には「顧客情報・営業情報・知的財産関連情報・人事情報」など、守るべき情報資産がたくさんあります。
そこでまずは、この情報資産が外部に流出してしまった場合どのようなリスクがあるのかご紹介いたします。
リスクは大きく分けて以下4点になります。

情報を悪用される

情報漏洩によって、不正な目的を持つ第三者による悪用・本来の目的とは異なる形で情報を利用されてしまうリスクがあります。

【具体例】

  • 個人情報を迷惑メールや詐欺などに悪用される
  • 製品の機密情報が洩れ、類似商品を作られてしまう

損害賠償や処罰の対象になる

情報漏洩によって、被害を受けた個人・企業への損害賠償や罰金の支払いなどが発生し、金銭的な損失が生じるリスクがあります。

【具体例】

  • 個人情報の流出により、迷惑メールなどが来てしまった人への慰謝料(損害賠償)の支払い
  • 企業機密の流出により商品が販売停止となった場合、納品予定だった小売業者への慰謝料(損害賠償)の支払い

 

社会的信用を失う

情報漏洩によって、取引先や顧客からの信頼を損ない、社会的信用やブランドイメージの低下が生じるリスクがあります。

【具体例】

  • 株価が低下する
  • 顧客が離れ、売上が低下する

販売機会を失う

情報漏洩によって、販売が延期や停止、かつ事後対応が必要となり本来の業務が実施されず、事業計画に悪影響をおよぼすリスクがあります。

【具体例】

  • 販売停止のため、顧客が競合他社へ流用する
  • 事後対応を優先し、本来行うはずの営業活動や広告掲載などの業務ができず、顧客への販売機会を失う

どのリスクも、取引先から取引停止を通知・顧客が競合他社へ流出など、二次被害が起こる可能性があり、事業の継続にさまざまな影響を及ぼすことが考えられます。
情報漏洩をきっかけに、営業活動やサービス運営の停止を避けられない事態となれば、会社の存続にかかわる大きな損失に発展する恐れもあるでしょう

2. 組織ができる対策

情報漏洩のリスクを低減するためには、事前に対策することが不可欠となっています。
そこでまずは、組織ができる対策について、いくつかご紹介いたします。

社員教育を行う

実は情報漏洩の原因は、紛失や置き忘れ・誤操作など、ヒューマンエラーによるものが大部分を占めています。

教育を行うことで、社員が正しい知識を身に着け、情報を扱う際の意識が高まるなど、ヒューマンエラー対策に期待ができます。
ぜひ社員教育に力を入れましょう。

社内ルールの策定・徹底

セキュリティソフトの導入や社員教育を行い、例の多い被害を防ぐ対策をするだけではなく、その企業に合ったルールの策定と徹底を行うことが必要となります。

社内ルールを策定・徹底することで、企業独自の対策の弱みをカバーし、同じ被害を防げることなどに期待ができます。
また万一、情報漏洩が起きてしまったときにどのように対応するべきかを定めておくことで被害の拡大を最小限に抑える効果も期待できます。 

ただし、ルールの作成には「日常業務が切迫するようなルール設定をしない」など、注意が必要です。 

セキュリティソフトなどのセキュリティ対策ツールを導入する 

社員教育やルールを定めても、防ぐことのできない事態も想定されます。 
外部からの悪意を持った攻撃だけでなく、内部の悪意への対策も必要となります。 

対策ツールを適切に導入することで、外部からの攻撃を防ぎ、内部からの不審な通信も監視・遮断します。
また万一、情報漏洩が発生した場合も原因の調査がしやすいなど、セキュリティ対策ツールには様々な機能があります。 

ツールを導入することで、危険回避や通信遮断をにて自動で実施したりなど情報漏洩対策の効率化に期待ができますので、必要な機能・使用感などを考慮し、自社に合ったツールの導入を行うと良いでしょう。 

3. まとめ

これまで述べてきた事柄について、まとめると以下の通りになります。

まとめ

  • 情報漏洩は、会社の存続にかかわる大きな損失に発展する恐れもあるため、事前の対策が必要です。 
  • しかし、上記のような対策から、1つだけを実施したり、また全てを行ったとしても、情報漏洩を絶対に防げるということはありません。 
  • 対策を行う上では、自社に合うものを複数選択し、組み合わせること・定期的に見直しを行うことが大切です。 
  • 情報漏洩が起こる原因は日々変化しますので、社内や業界の変化・不正アクセスの動向などを把握しながら、より効果的に対策しましょう。 

次回は情報漏洩を防ぐには② ―個人対策編―についてご紹介いたします。

弊社では、お客様の解決したい課題により、情報漏洩対策のお手伝いをさせていただきます。
また、情報漏洩対策には補助金を活用できる場合もございますので、まずは、気軽にお問い合わせください。